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【確かに奇っ怪な事件だ】  2014.8.20(水)

 一方でバッシング報道、メディア・スクラムに明け暮れ、他方で報ずべき情報を報じないマスコミの罪は重く、信頼は地に落ちています。  そのことがまさに、この情報に現れています。  ◉ 「湯川遥菜事件で箝口令を敷いている官邸とマスコミ報道のお粗末」 http://critic20.exblog.jp/22496265/

湯川遥菜事件で箝口令を敷いている官邸とマスコミ報道のお粗末

ブログ「世に倦む日日」より

26.8.20 湯川遥菜&田母神俊雄.jpg

 湯川遥菜の事件について、マスコミ報道の情報が圧倒的に少ない。ほとんど何も報道していない。テレビと新聞だけを見ている人たちは、全く背景や動機を知らないままの状態に置かれていて、マスコミとネットの情報ギャップがこれほど甚だしく開いた例も最近はめずらしい。

 この事件に関しては、ネットを見ないと何も分からないというのが本当だ。湯川遥菜をめぐる真相については、本人がネットに残した情報で多くの事実を知ることができ、確かな証拠を掴むことができる。

 あらためて、公開されている文書資料を確認しよう。大きく三つある。(1)ピーエムシー株式会社の公式HP、(2)PMC Co.,LTD.のブログ、(3)HARUNAのブログ、である。

 この文書を全部読み込むと、事件に至る経緯が分かるし、湯川遥菜の人物像も了解できる。この三つの公開資料を整理し編集するだけで、フリーのライターは週刊誌に掲載する6ページ分の記事を2本書けるだろう。きわめてヘビーな真相情報が満載されていて、読み直すほどに新たな衝撃の事実を発掘できる。

 おそらく、菅義偉と安倍晋三は、このHPとBlogを強制閉鎖したくてたまらないだろう。閉鎖できないのは、パスワードを本人しか管理していないからであり、日本政府が湯川遥菜と未だコンタクトできていないからだ。

 この事件のマスコミ報道で気づかないといけない異様な点がある。それは菅義偉がカメラの前に出ないことであり、官房長官の定例会見でこの問題が取り上げられないことである。  問題の対処は、事務次官の齋木昭隆が一手に引き受けている。マスコミの質疑応答の絵は、外務省の玄関ロビーで、齋木昭隆がぶら下がりを担当してお茶を濁している。

 菅義偉が姿を見せない。例の、アメブロのアメンバーの疑惑に対する質問に答えられず、マスコミの追及から逃げているからだ。つまり、この政府の異常な対応を見るだけで、事件が政権に与える打撃の大きさを察知できる。

 内閣改造を間近に控え、一度は安泰となり保全された官房長官の身が、この事件の追跡と真相の暴露で吹っ飛ぶ可能性が生じる。菅義偉と安倍晋三にとって、今回の事件の発生と展開は脅威なのであり、なるべくマスコミに騒がれたくない痛い急所なのだ。

 本来、ここで朝日と東京新聞は取材攻勢をかけ、湯川遥菜と菅義偉、田母神俊雄との関係の疑惑に迫り、世間が驚愕する真実を発見し、スクープ報道で政権を窮地に追い詰めなくてはいけないのだが、またぞろ官邸から圧力と懐柔がかかり、イヌコロよろしく尻尾を振っているのか、一向にペンで鋭く追及する気配がない。

 今、政府内部はこの問題で大いにうろたえている。困惑している。菅義偉が出て来られないのは、この事件の性格づけができず、政府としての正式な立場と姿勢を確立できないからでもある。ここが重要なポイントだ。対処が困難なだけでなく、基本的な認識と定義のところで厄介なのである。そもそも、湯川遥菜をどう評価するのか。善人なのか、悪人なのか。善良な市民なのか。  湯川遥菜について、外務省はその行為を不法入国と判断している。シリア全土の邦人に退避勧告を出し、渡航は延期せよと警告している中、湯川遥菜のような軽挙妄動が続けば、政府として邦人の安全を守る責任を果たせないからであり、救出や捜索に膨大な手間とコストがかかるからだ。

 普通の外務官僚にとって、湯川遥菜の「民間軍事会社」の行動は迷惑千万であり、まさに一罰百戒に処すべき案件だろう。この男を「善良な市民」には扱えず、国民に「一刻も早い救出を願う」同情の世論を掻き立てるような政府姿勢を見せることはできない。通常の霞ヶ関の基準ならば、二度とこんな事件が再発しないように、湯川遥菜については否定的に意味づけし、ネガティブな論調での報道をマスコミにさせるものだ。事件が発覚した直後にマスコミから出た情報は、こうした霞ヶ関の意向と文脈に沿った内容で、不法入国の可能性が指摘され、会社登記簿の不正が早々と明らかにされていた。

 つまり、官僚たちの初動の調査で、湯川遥菜の政治的背景が明確になり、この男はとんでもない極右の軍事オタクで、善良な市民が事件に巻き込まれたケースではないという判断が示されていたわけだ。だが、すぐにその通常の線でのハンドリングは背後に退き、後藤健二が前面に出てきて擁護論を言い始め、政治的背景はないというニュアンスの説明に変わって行く。国際情勢の厳しさを知らない能天気な青年の、個人的で偶発的な愚行というイメージの言説と報道で空気が固められて行く。  10年前、イラクで3人が人質になったとき、このケースは完全な「善良な市民」だったが、政治的な背景や動機が全くないわけではなく、左派的な色合いがあったため、政府は徹底的に3人を叩き、右翼マスコミとネット右翼を使って糾弾キャンペーンを執拗に繰り広げた。 

 その陣頭指揮をとったのは、小泉官邸を仕切る飯島勲と自民党幹事長だった安倍晋三である。厳しい措置で見せしめをして、平和ボケの国民が紛争地へうろうろ気楽に接近するのを抑止し、面倒な手間とコストを省きたいという霞ヶ関の事務的動機は、今回も10年前も同じなのだけれど、今回の場合は政治の色づけが逆で、右翼の無謀行動だったため、官邸は逆の対処に出た。咎められず、美化された。小銃を抱えてイスラム国と戦闘をやっていた傭兵が、政府の総力を挙げて救出すべき「善良な市民」に化けてしまったのである。

 湯川遥菜と政権(安倍晋三・菅義偉・世耕弘成・磯崎陽輔・谷内正太郎)とは、政治思想が全く同一であり、理想と信念を共有する熱き血潮の同志であるため、湯川遥菜は「怪しい右翼青年」の認識や定義にはならず、レッテル貼りされず、その行為の不当性を責められないのだ。

 この異様な政府対処の結果、今後の方向性としてもたらされたものは、右翼青年はどんどん武器を担いで戦地に行ってよろしいという示唆であり、万が一のときは政府が全力で救出するという確約であり、すなわち、田母神閣下に心酔し帰依する若者たちは、集団的自衛権の先兵となって、憶せず海外に雄飛せよというメッセージである。  昨日(8/19)、共同の記事で、湯川遥菜の発言として、「アサド政権打倒を目指す反体制派武装勢力が必要とする機器や物資を供給するため、現地の状況を調べることが目的」だったと語ったという報道が流れた。イスラム戦線(自由シリア軍)の幹部のコメントだが、これは真っ赤な嘘だ。幹部は嘘を言っていない。湯川遥菜が嘘を言っている。

 どこが嘘かというと、「機器や物資を供給するため」という件だ。なぜ嘘だと断言できるかというと、それは簡単で、湯川遥菜は英語もアラビア語もできないからである。英語が喋れなかった点については、後藤健二がテレビで語っていた。4月にトルコ国境からシリアに潜入し、反政府軍と接触した際、湯川遥菜はスパイと疑われて拘束されていた。そのとき、日本人ジャーナリストの後藤健二が通訳に入って、この男は敵のスパイではないと弁護し、その尽力で湯川遥菜が保釈された経緯がある。その滑稽な顛末を思い出し、後藤健二はカメラの前で苦笑を隠さなかった。英語もろくにできないのに、戦闘支援だの軍事経験だのと言ってこんな危険な場所に来るのかと、湯川遥菜のバカさかげんに呆れた事実を表情で示していた。

 日本語の通じない海外で、モノを売り買いする商談をするときは、TOEIC700程度のスキルが必要だ。観光地の店で食べ物や土産物を買うのとはわけが違う。言語の能力のない湯川遥菜が、自由シリア軍に「機器や物資」を売る交渉をするのに、本人が直接現地に赴くはずがない。  ネットのメールでコンタクトして売り込むか、自由シリア軍の拠点を探してトルコかフランスに行くのが当然だ。トルコかフランスか英国ならば、平和で安全な環境でじっくりとビジネスができる。わざわざ、銃弾や砲撃の飛び交う最前線に出かけて商談はしない。

 もう一つ、この話が嘘だと確信する根拠は、「機器や物資」のサンプルがない点である。後藤健二の証言では、湯川遥菜は「経験を積むために」シリアに潜入している。「機器や物資を供給するため」ではない。

 通常、「死の商人」がモノを売る場合は、サンプルかカタログを持ち歩いて説明するものだ。後藤健二の証言の中には、「機器や物資」についての具体的な話が全くなかった。否、最初に紹介した湯川遥菜の三つの公開情報(HP、Blog)のどこを探しても、商売する「機器や物資」は見当たらないのだ。商品の情報がない。

 湯川遥菜は自衛隊に何かを納入していたと言われているが、それは一体どんな装備品だったのだろう。共同の記者は、イスラム戦線の幹部のコメントをただ載せるのではなく、その幹部に質問して、湯川遥菜がどのような物品を売り込もうとしていたのか確認するべきだった。

 私は、この「機器や物資を供給するため」という情報を信用していない。湯川遥菜の目的と任務は、戦闘行動に参加することであり、自由シリア軍と人脈を作ることであり、戦闘員として「実績と経験を積む」ことであり、現地の戦闘状況をクライアントに報告することだったと推測する。結論として、湯川遥菜はまさしく斥候だったのだ。  誰の斥候だったのかというと、日本(J-NSA・自衛隊)の斥候である。

 集団的自衛権の行使解禁を受けて、イラク・シリアを舞台としたところの、米軍を支援してイスラム国と戦う陸自の地上作戦が極秘に計画されていて、その最初の諜報要員として、湯川遥菜に白羽の矢が当たって派遣されたのだろう。

 その意味では、「機器や物資を供給するため」という言い分もあながち嘘八百とは言えない。陸自がシリアの地上に展開すれば、当然、陸自部隊のみならず自由シリア軍にも補給をすることになる。兵站を敷かなくてはならない。その場合は、トルコに拠点を置き、国境から補給線を張るという形になるはずで、湯川遥菜が言っている「トルコに事務所を設置」という話も妄想として聞き流せなくなるのだ。

 集団的自衛権の行使を具体化する安保諸法制については、これから法案を作成して来年の国会に上程する予定になっているが、その審議と成立の前に、日米防衛協力のガイドラインの改訂版が発表される。その中に、フィリピンの軍港建設の費用負担と将来の海自艦隊の駐留と並んで、中東での陸自のブーツ・オン・ザ・グラウンドも盛り込まれるだろう。「地球の裏側に行って血を流す」という例の問題である。

 これまで、米軍の中東での敵はイランで、ナイ・アーミテージレポートも対イラン戦争を前提とした日米両軍の一体化が構想されていた。すなわち、ホルムズ海峡での海自の戦闘参加が想定されていた。が、情勢が一変し、米国とイランが雪解けとなり、ホルムズ海峡は自衛隊の守備範囲から外された。  米国のために日本人が血を流す中東の地は、ホルムズ海峡の洋上ではなく、イラクとシリアの砂漠に変わった。イスラム国の地上部隊は屈強で残忍だ。資金も豊富で装備も充実し、捕虜を片っ端から処刑しながら狂った士気を高揚させている。アルカイダよりも残虐なイスラム国を前に、米国はすっかり腰が引けていて、地上戦で米軍兵士の犠牲者を多く出す選択ができなくなっている。

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        ♬ The House of the      Rising Sun

        朝日のあたる家

       Tommy Emmanuel 

       トミー・エマニュエル

 

    2012.11.20

 

 アメリカのTraditional Folk Songに、娼婦に身を落とした女性が半生を懺悔する歌とされる「The House of the Rising Sun(朝日のあ(当)たる家)」という素晴らしい曲があります。

 日本ではアニマルズやディランのものが有名ですが、多くのアーティストがカバーしています。

今日は、少し時間に余裕があったので、この曲をあらためて手持ちアーティスト群による演奏で楽しみました(浅川及びちあきは「朝日楼」)。

 ただし、イギリスのJohnny Handleという歌手の音源がないのが残念です。

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 トミー・エマニュエル(1955-)は、オーストラリアのギタリスト。フィンガーピッキングの達人

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